RX Plug-in Packには「De-click」「De-clip」「De-hum」「Dialogue De-noise」が収録されています。
それぞれの機能を音声でチェックしてみました。
ごく短いノイズを除去する「De-click」
クリックノイズとは「プツッ」や「プチッ」といった音を代表とする、
電気的なごく短いノイズのことを指します。
意図的に入れるようなジャンルならともかく、一般的には混入を避けるべきノイズです。
8dioのストリングス音源「ADAGIETTO」さんにご登場いただきました。
まずは原音から。製作中の曲から抜いてきたのである程度音作りしちゃっていますがそこはお気になさらず。
Closeマイク、ドライにして書き出しました。
デクリック10元データ.mp3よく言われるクリックノイズとは違いますが、弦を擦った時の「バツッ」「ザリッ」といった破裂音が左右で結構目立っています。曲に混ぜて聴くとちょっと目立ちすぎていたので除去してみます。
これにDe-clickを上の画像の設定でかけるとこのように。
クリックノイズの判定方法はいくつかあるものの、つまみはSensitivity(感度)の一個だけ。
値が大きくなるほどクリックノイズと思われる音を除去しようとします。
デクリック10.mp3よく聴くと部分部分で残っていますがほぼ気にならないレベルに。
驚いたのはSensitivityの最大値10でやってもほとんど音質の劣化が感じられないこと。
さすがにアタックの高音は若干削れているので、うまく調整してあげると良いと思います。
どれだけのノイズを除去したのかも確認できます。地味に嬉しい機能。
デクリック10ノイズ.mp3色々なプラグイン立ち上げつつ2個挿すと再生がおぼつかなくなるくらいには処理が重いので
ノイズ除去したら一度書き出して再度取り込み直す必要がありそうです。
今回ストリングスのノイズを除去しましたが、ギターをはじめとしたプチプチノイズや
その他の短い電気的なノイズはほぼ除去できると思います。
また、声も良い環境で録った上でのリップノイズであればある程度除去できます。
(リップノイズ:口を動かす時に鳴る「クチュ」とか「クチッ」「プチュ」という音)
完全に除去できるかは声によるところが大きいと思うので、
限りなくノイズ0にしたい場合は上位版のRX5でスペクトラム波形を見ながら処理したほうが良いかなと思います。
マイクに息が入ってボワボワしていたり、
ノイズを意識せずにものすごい音を立てながら録音した場合は
De-clickではどうにもできないので録り直す必要があるでしょう。
クリッピングによる音割れを軽減する「De-clip」
クリッピングとは0.0dbを超えたときにビリビリ、バリバリいうノイズです。
マスタートラックの最終段にリミッターかけ忘れたり、リミッターの後に何かプラグインあったり、
チャンネルEQがリミッターの後にかかっていたり、マスターボリュームが0.0db以上になっていたり。
FG-Xなんかもサチュレーションも一緒に掛けているらしく、持ち上げすぎるとバリバリいいます。
これも混入を避けるべきノイズですね。
ということでわざとクリッピングさせてみました。
くりっぷ原音.mp3ここまでやらかすことはそうそうないと思いますが、バッチリ割れています。
これに上の画像の設定でDe-clipを挿すとこんな感じ。
Thresholdの数値以上のデシベルにある波形をいい感じにカットして、
Makeup gainで適切な音量に下げてPost-Limiterでリミッターするという処理手順でしょうか。
くりっぷ処理後.mp3消えていますね!
バックグラウンドノイズを軽減する「Dialogue De-noise」
自宅や外でマイクを使って録音するとPCの駆動音だったり環境音が入ります。
それらを検知してなるべく気にならないレベルに軽減するプラグインです。
自宅でマイク収録+打ち込みギターの構成でこんな感じの音に。
わかりやすいようにノイズはわざと大きめにしています。
でのいず処理前.mp3これを上の画像の設定で処理するとこんな感じ。
でのいず処理後.mp3アコギの音まで若干巻き込んでしまっていますが、他と混ぜれば気にならないぐらいにはなりました。
操作としては、Manual操作でノイズが鳴っている範囲でLearnをONにします。
画面中央のパラメータが大体固まったらLearnを外して曲を流してみます。
Thresholdでノイズを検出する音量、Reductionでどれだけ検出ノイズを除去するかを調整します。
Autoだと鳴らしたい音まで高確率で巻き込むのでこれはマニュアル操作が良いです。
でのいず処理後2.mp3ガッツリやるとこんな感じ。
ノイズは消えましたがアコギの音も劣化しました。
iZotope本家の声でのノイズ除去は2:32から。
電源周波数によるハムノイズを軽減する「De-hum」
一般家庭の電気は東日本だと50Hz、西日本だと60Hzの交流で供給されています。
それを音声として拾ってしまうと「ブー」「ヴヴヴ」「ブブブ」というノイズが
録音した音声に混入してしまいます。
De-humはそれらの音を軽減します。
Twitter経由で頂いたハムノイズにギターのサンプリングを載せた擬似的な音声です。
3種類いただきました、ありがとうございます。
ではむ前ノイズ合わせ(1).mp3ではむ前ノイズ合わせ(2).mp3ではむ前ノイズ合わせ(3).mp3ノイズ部分だけループ再生してDe-humでLearn。
上の画像のように思いっきり-80dbさせたものがこちら
ではむだけ処理1.mp3ではむだけ処理2.mp3ではむだけ処理3.mp33番目だけ多少軽減されたかな?と思うもののあんまり軽減されてない。
仕組みとしては特定の周波数とその倍音を削るツールなので、
1,2番のように機材によって他の音が混ざってしまうとほぼ効果なしということでしょうか。
駄目でしたーは収まりが悪いので、「Dialogue De-noise」もかけてみました。
ではむ処理1.mp3ではむ処理2.mp3ではむ処理33.mp3多少ギターの音まで巻き込んだ感ありますが、これにさらにGateとDe-clickをさせば
ほぼ気にならないレベルにはなるのではないでしょうか。
ということでiZotopeの簡易ノイズリダクションキット「RX Plug-in Pack」でした!
混入しているノイズが少ない・小さいほど音の劣化を抑えられるので
ツールで後からなんとかするよりかは可能な限り良い録音環境でしっかり録ること。
これが一番大事ですね!
RX Plug-in Pack / $129(通常価格。iZotope Music Production Bundleユーザーは69$)
https://www.izotope.com/en/products/audio-repair/rx-plug-in-pack/ノイズ除去をしっかりやりたい場合には上位版の「RX5 Audio Editor」を検討してみても
良いかもしれません。